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平成24年度 陽光の園 事業報告 |
◎サービス全般 |
- 多職種協働でグループケアを通じた個別ケアの向上を形あるものとする
各事業とも個別の介護計画の作成に基づいたサービス提供の定着を推し進めるようにした。多職種協働でのサービス提供や部署やグループ単位の新しいサービス向上は試行しつつも次年度継続目標となった。
- 介護報酬改定を受けて、サービス提供体制の再整備をしつつサービスの質の向上を目指す。
デイサービスのサービス提供時間の延長や個別機能訓練の実施、食費改定を意識した食サービスの向上、看取りや痰の吸引・胃ろうの介護職員の実施など、職員の真摯な取り組みにより利用者や家族にも理解されるサービス提供となった。
- 中期的な視点で防災対策を含め地域及び行政との福祉サービス連携
行事等において地域社会や地域福祉関係者との相互交流を図り防災対策も含め情報交換を行った。行政との連携は地域包括システムの構築の中で今後の課題とした。
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◎目標達成にむけての重点取組 |
- 人材育成の取り組みの継続
一昨年度取り組んだ階層別研修(めざせ福祉王)を基本に職務基準書を見直した。また、階層別を意識しながら施設内外の研修に積極的に職員を派遣した。
- 業務向上の取り組み
多職種連携のプロジェクトチームを通じて、特養のケアサイクルおよび書式の見直しを行った。常勤職員と非常勤職員の連携による業務見直しはシュミレーションを行い、入浴業務の試行など具体的実現へ向けて進みだした。
また、在宅課・業務管理課・グループホームでも常勤職員と非常勤職員の役割の整合性を図るなど業務の執行がより組織的な取り組みとなるように努めた。
- 財務状況の健全化
感染症による利用者受け入れ制限や入退居の期間の空白等もあり、月次単位では当初の予算設定利用実績値を大きく下回る事業もあったが、民間事業者との厳しい競争を意識して、それぞれの事業で利用者確保の取り組みを続け、年度としては全体で前年を若干下回る程度の利用率を維持できた。
介護報酬改定による収入減の影響は大きく、食費改定や提供時間の変更、さらに加算による収入増加対策等を行ったが前年に比べ大幅な収入減となってしまった。
職員モチベーション維持やライフスタイルの変化も考慮しつつ、昇給幅の工夫などにより将来的に経営の安定に寄与する賃金制度の改定を行った。
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◎部署別活動報告 |
- 入所介護
(ア)職員教育風土を作り介護職員のレベルアップをはかる
- 目標管理シートの活用は継続されている。グループによってはマネジメントしきれずに活動低下している点もあり、継続的に確認する必要がある。活用されているグループはレベルアップもみられる。
(イ)財務健全化に合わせた人事配置の検討
- 賃金制度改定を視野に入れ、取組み方法や話し合いをしながら検討してきた。
年度末に大枠を作成し、次年度の面接に合わせて着手予定。
(ウ) 個別ケア推進によるサービスの質の向上を図る
- 介護計画自体は作成継続されているが、評価システムの検討までには至らず。
次年度の課題となった。
- 施設ケアマネ相談室
(ア)ケアサイクルの管理・アセスメント力の向上
- PCDAサイクルの各部署への定着が図られるような管理に努めた。
職員体制が整わず実施が遅れている部分もあるが全体的な定着は推進している。
入所面接に積極的に出向き、介護計画の立案に役立つアセスメントになるよう心がけた。
(イ) 個別ケア実現に向けて、グループ段階で各部署調整の円滑化
- 事前に各部署主任やグループマネージャーと調整し、課題発生時も迅速にカンファレンスを開催し問題解決に努めた
(ウ) 利用者に安定したサービス提供のための調整力の向上
- マニュアル整備等を通じ上司不在時も滞りなくサービス提供できるようになった。
- 相談室(ケアマネ)
(ア)利用実績の向上
- ショートは予算設定値に0.5%足りなかったが入所はクリアして、前年並みの実績を維持できた。
(イ)ケアサイクルの管理
- 入所ケアプラン ショートステイ介護計画とも管理できた
(ウ) 保険外サービスの見直し
(エ) 施設外資源の活用強化
- 医療機関との連携や地域社会との連携は継続強化に努めた
(オ)権利擁護の実践
- 市役所福祉政策課や包括支援センター等との連携を図った。
- 機能訓練室
(ア)グループケア・個別ケアに向けて専門職としての関わりを念頭に置いて協働する。
- サービス策定会議や事故防止対策検討時、そして、利用者の日常生活の自立支援において意見や助言をすることにより協働できた。
(イ) 安定したサービス(訓練)の提供
- ご利用者個々の計画に基づき、着実に訓練を実施した。
(ウ)自分の等級にあった行動と上下左右の確認をする
- 自分の役割、立場で各々の意見を伝えるように心がけた。
(エ)法人合算会計経常利益率5%以上の目標に寄与する
- 加算への取り組みや、業務合理化等次年度への課題となった。
- 医務室
(ア)医療サービス充実に向け他部署との連携強化
- 施設内の看取り支援を多職種協働で多くの利用者に実施できた特別養護老人ホーム介護職員が行う胃ろう・吸引等の連携実施を行うとともに50時間の実施研修も実施した。
施設内感染症が蔓延したことを受けて、医務室を含む初動マニュアルの見直しの必要性を痛感した。
(イ) 職員確保と看護体制の再構築
- 主任看護師の配置など基本的な体制整備を行ったが、業務の明確化や業務遂行上バランスの良い看護職員の確保などは次年度への課題となった。
(ウ) 体制構築に応じて加算等の検討
- グループホーム
(ア)ご利用者の背景を把握しニーズを理解したうえで個別ケアを実践する。
- 職員個々には利用者の背景やニーズを理解出来ているが共通のものとして職員同士が確認する作業は今後の課題となった。
(イ)研修に積極的に参加し、サービスの質の向上に努める。
- 職員の退職や異動等により勤務体制が不安定となり研修への派遣が困難となった。
自己研鑽も不十分であった。
(ウ) コミュニケーションを円滑にすることによりチーム内強化に努める。
- 上記理由でチーム内メンバーの交代が多く難しく、チーム力強化は次年度の継続目標となった。
(エ) 地域および行政との連携につとめる。
- 夏祭りやどんと焼きなどの例年行事は継続参加となったが、地域住民とのエリアから離れている立地環境での地域連携の再検討の必要性を感じた。
- ケアマネージャー
(ア)新年度より特定事業所加算Uの算定を行い定期的な会議の内容について充実を図る
- 週一回の部署会議については会議のテーマを決め、内容についても徐々に向上することができている。特定事業所加算Uの算定も支障なく行えている。
(イ) 利用率を保ちながら、職員体制の再構築を行う。
- 利用率については年間を通じて安定していた。
退職による引き継ぎ後、業務を行いながら指導を行ってきたが、職員体制の強化には至らなかった。
(ウ)点検支援マニュアルを活用しての指導に向け、3〜5年後を見据えた個別ケアの向上に重点を
置いたプラン作成を充実させる。
- 個別プランの作成については常に意識を持ちプラン作成を行っていた。部署会議でもプラン検討を行うなど、事業所としての対応は実施できた。
- デイサービスチーム
(ア)利用率の安定
- 冬場のインフルエンザ流行により、数値目標を大幅に下回り、それまで好調だった利用率も前年度を下回ることとなった。職員の休み等によりサービス担当者会議の出席調整がつかず、新規利用者の確保も不十分となってしまった。
(イ) 安全で安心できる環境作り
- 事故発生は少なく抑えられ対応も出来ていたが、安心して過ごしていただける環境設定は今後の課題としたい。
(ウ) 個別プログラムの充実
- 現行プログラムの実施は行えたが、新規プログラムの考案は次年度以降の継続検討となった。
- 事務チーム
(ア) 業務効率化・迅速化させることおよび各部署との連携強化によりサービス向上と収益状況の改善
につなげる
- 相談室やケアマネ室と連携することにより未回収のお金を少なくするとともに入金の迅速化につなげた。
(イ) 介護報酬減に対応して、費用対効果をより厳格に求める
- 消耗品(石鹸・シャンプー等)の価格を比較検討し商品の変更を図った。
大きな額もふくめ他の変動経費等の見直しは次年度の課題とした。
(ウ) 財務に対する意識及び防災意識が向上するように人材育成を図る
- 財務研修の受講や防災マニュアル改訂と防災訓練の参加を通じて意識向上に努めた
- 栄養調理チーム
(ア) サービス向上の意識改革
- サービス提供事業計画を明確化し、職場環境の改善に努めた。
従来に比べ前向きな取り組みとなった。
(イ) 他部署との協働
- チーム内の雰囲気がまとまりだしたので、ひとり、ひとりが意見を出し合い、他部署との係わりを持てるようにすることが今後の課題としたい
(ウ)コスト削減に向けた取り組み
- 食材料費の1割削減を実施できたが、一部食料品の価格が上がり年度としての削減は限界があった。
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平成25年度 陽光の園 事業計画 |
社会保障と税の一体改革の流れで行われた昨春の介護報酬改定は地域加算の減額も合わせ、本法人の主要事業である従来型特養・短期・通所介護にとって厳しい改定であった。
これからも厳しい経営環境が続くことが予想されるが、ここ数年来取り組んでいる組織基盤の強化を形あるものにするとともにサービスの質の向上に取り組むことにより、安定した経営体制の確立とより良質な福祉サービスの地域提供を目標とする。
そして、今後展開される「地域包括ケアシステム」の中で本法人の各施設が地域での安心・安全の拠り所となることを目指す。
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◎サービス目標 |
- グループケアを基本として多職種協働による加算も含めた各種サービスの提供を展開しサービスの質の向上に努める。また、各事業で実験的な新たなサービス創造にも着手する。
- 地元自治体の地域包括ケアシステムの取り組みを見据えつつ、介護保険制度に則ったサービスの提供と地域連携の強化に取り組む。
- 防災対策を含めたリスクマネジメントの強化に取り組む。
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◎目標達成にむけての重点課題 (組織力強化) |
- 業務力向上の取り組み
限られた職員人数体制を前提に、提供すべきサービスのバランスを検討しつつ常勤・非常勤職員の協働体制の見直し及び部署間連携体制の見直しに取り組む。
災害をはじめ事故・感染症対策などリスク対応に対して現実的なマニュアルに改定し、具体的な実践訓練を通じてリスクマネジメントの強化を図る。
- 組織内規則等の周知と財務状況の健全化
基本理念をはじめ、事業計画、各種規程、組織上の決まりの周知徹底に努める。
経営の安定をもたらす賃金制度改定を職員のモチベーション向上にもつなげる。
利用率を高め法人合算会計経常利益率5パーセント以上を目指す
- 人材育成の取り組みの継続
新たに改定される職務基準書を基本として、職員指導表の活用等により体系的なOJTを目指すとともに、研修体制全体の体制強化により人材の育成に取組む。
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◎部署別事業計画 |
- 入所介護
非常勤職員と常勤職員の再編を行い、サービスと職員配置のバランスのとれたグループケアをめざす
- 職場教育風土の見直しを行い、働き甲斐のある職場環境を再構築する
- 個別ケア推進をするなかで、サービスのあり方を検討し、介護サービスの質の向上をめざす
- 相談室 施設ケアマネ
- 職員確保と相談・ケアマネ体制の再構築
- ケアサイクルの多職種協働体制の推進
- 着実な利用者確保
- 医務室
- 医務室内組織の整備
- かく痰吸引・ターミナルケア等看護・介護協働の取り組み強化
- 生活に則した医療サービスへの転換
- 機能訓練室
- 専門職としての関わりを念頭に置きつつもグループケア、個別ケアにむけて
多職種協働で取り組む
- 安定したサービス(訓練)提供を基本に費用対効果を考えた新たなサービス
メニューへの取り組み
- グループホーム
- ご利用者の背景を把握し、ニーズを理解したうえで個別ケアを実践する
- コミュニケーションを円滑にして連携することでチーム力を強化する
- 認知症を理解し、サービスの向上を図るため研修に積極的に参加する
- 地域および行政との連携に努め、開かれたホームを目指す
≪在宅課≫
- ケアマネージャーチーム
- アセスメントを強化し、個別ケアの向上に重点をおいたプランを作成する
- ケアマネチームとして、情報共有、引き継ぎがスムーズに行える職員体制を強化する
- 地域包括との連携を強化し、利用者の抱えている問題解決に努める
- デイサービス
- 新規利用者を獲得するとともに利用率を安定させ、経営の安定から職員の
モチベーションアップを図る
- 多職種協働により安全で安心できる環境作り
- 個別プログラムの充実により、他事業所との競争を意識し、選ばれる事業所を目指す
- 人材育成の取り組みにより、職員のスキルアップを図る
≪業務管理課≫
- 事務チーム
- 法人の経営状況を踏まえ収支改善に取り組む
- 若い世代も視野に入れた求人や広報のためウェブサイトを活用した活動を展開する
- ペーパーレス化に努め事務の簡素化と効率化を図る
- 栄養調理チーム
- 業務体制の構築により職員のレべルアップを図る
- 個別サービスに向けた立案・実施の推進
- 安定した食事提供と質の向上を目指す
各事業 目標利用率
- 入所 97%
- 短期 93%
- デイサービス 84%
- 居宅介護支援 108件
- グループホーム 95%
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